箴言7章 恋なすびは、かおりを放ち

雅歌7:13「恋なすびは、かおりを放ち、私たちの門のそばには、新しいのも、古いのも、すべて、最上の物があります。私の愛する方よ。これはあなたのためにたくわえたものです」
レアとラケルが恋なすびをめぐって言い争ったことがありましたが、「恋なすび」は、おそらくマンドレイクというなす科の植物のことだと考えられています。マンドレイクにはアルカロイドという幻覚を引き起こす有機物が含まれており、薬用として用いられることがありました。現在では、危険なためマンドレイクを主成分とする薬品は作られていませんが、少量を服用するなら快楽を得られるものとして、聖書では発情剤や興奮剤のような使い方をしていたようです。ラケルは姉のレアが恋なすびを持っていることを知り、自分に分けて欲しいと懇願しましたが、レアは恋なすびと交換にヤコブと寝ることを条件として出しました(創30:15)。その結果として生まれたのがイッサカルです(創30:17-18)。ソロモンもこの媚薬のかおりを楽しみ、ともに感情の高まりを得て一緒に過ごしたのだと思われます。ソロモンとこの美しい娘とは、最後まで付き添えたかどうかはわかりませんが、少なくともソロモンの若い頃には混じり気のない純粋な愛を経験したことがわかります。箴言では「あなたの若い時の妻と喜び楽しめ(箴5:18)」というものがあり、この箴言はソロモンの若いころ愛した娘の経験からきているのだと思います。