虐殺の谷

エレ19:6「それゆえ、見よ、その日が来る。――主の御告げ――その日には、この所はもはや、トフェテとかベン・ヒノムの谷とか呼ばれない。ただ虐殺の谷と呼ばれる」
エス様はたとえ話を用いて多くの人が理解できるように教えを噛み砕いて語ってくださいました。旧約では預言者がデモンストレーションをして多くの人に判らせるという方法が一般的でした。エレミヤはすでに妻をめとらないというデモンストレーションを主から言い渡されています(16:2)。今回はベン・ヒノムの谷へ行き、土の焼き物のぴんを割ることがエレミヤの与えられた使命です(10)。そして、それと同時に主から預かっていたことばを周りの人たちに告げ、主のことばをより判りやすく解説したのです。ベン・ヒノムの谷の「谷」はヘブル語で「gay(ゲー)」となり、「ゲー・ベン・ヒノム」がヘブル語の読みになります。これがなまって「ゲヘナ」というギリシャ語につながっています。しかし、主が定めた「その日」にはゲヘナとはもう呼ばれず、「虐殺の谷」と呼ばれると書かれています。やがてバビロンから逃げようとしたユダヤ人たちが多く殺され、自分たちは正しいとしていたバアルの祭壇のあった場所に死体が重ねられます。それは皮肉でもあり、主からの懲らしめの厳しさを伝えるものでもあります。