ホセア12章 私は富む者となった

ホセ12:8「エフライムは言った。「しかし、私は富む者となった。私は自分のために財産を得た。私のすべての勤労の実は、罪となるような不義を私にもたらさない」」
イスラエルの経済状況についてはあまり多くは旧約聖書に書かれていません。しかし、ホセアの伝えるところによると利益を得て富むものになったとあります。アッシリアと契約を結び、エジプトに油を送る(1)…という表現にも、アッシリアとは和平条約、あるいは不可侵条約のようなものを結び、エジプトには朝貢として油を送ったか、あるいは貿易の手段として油を使った可能性があります。いずれにしろ、富がイスラエルを次第に堕落させたことが考えられます。むしろ、逆にイスラエルが貧困にあえぐ状態なら、もっと主を求めるようになったでしょう。ホセアは預言の中にヤコブの思い出を語り、初めて神と出会ったベテルでの出来事を思い出しています(2-4)。それは、信仰の原点となった出来事であり、神のみ使いと格闘したとき、泣きながら祝福を懇願したヤコブの諦めない心と信仰に応えたものです(創32章)。原点を見つめ直し「神に立ち返り、誠実と公義とを守り、絶えずあなたの神を待ち望め(6)」と預言されています。イスラエルの民にはヤコブのDNAが流れており、主を求める信仰が絶やされていないからこそ、立ち返ることを呼びかけているのだと思います。