オバデヤ15 あなたがしたように、あなたにもされる

オバデ15「主の日はすべての国々の上に近づいている。あなたがしたように、あなたにもされる。あなたの報いは、あなたの頭上に返る」
オバデヤはユダが滅びるから悔い改めよという警告の預言ではなく、すでに滅亡が決定した後の預言となっています。主題はエドムへのさばきです。「あなたがしたように」というのは、災難の日をただながめ、ユダの滅びをみて喜び、大口を開いたことです(12)。ここに書かれている「~をするな」というのは、おそらく逆説を述べることでエドムの行いを強調する狙いがあると思います。「民の門に入るな(13)」は、門に入ったことで、同様に困難をただ眺め、ユダの財宝に手を付けたのです(13)。さらにエドムはユダの逃れの道をふさぎ、捕らえて敵に引き渡したようで(14)、これらの行為に対して同じ報いが、エドムの頭に返ると預言されています。相当にきついエドムへの預言は「ひとり残らず絶やされよう(9)」とまで語られ、容赦ない主のさばきが見て取れます。しかし、ヘロデ王などはエドム人の末裔だとされ、その血は絶えずにいたようです。アモス書には「エドムの残りの者と、わたしの名がつけられたすべての国々を手に入れるためだ(アモ9:12)」という預言があり、ひとり残らずというオバデヤの預言は比喩的な表現なのかもしれません。