ヨナ1章 彼らは主に願って言った

ヨナ1:14「そこで彼らは主に願って言った。「ああ、主よ。どうか、この男のいのちのために、私たちを滅ぼさないでください。罪のない者の血を私たちに報いないでください。主よ。あなたはみこころにかなったことをなさるからです」」
「私たちを滅ぼさないでください(14)」はヨナの言葉ではありません。船に乗っていた船員、乗客の言ったことです。ヨナはニネベとは逆方向に逃げようとして、タルシシュ行きの船を見つけます(3)。ヨナは正当な運賃を払って乗り込みましたが(3)、その船の中でヘブル人は彼一人でした。おそらく船の乗員、乗客は、いろいろな土地から集まった出稼ぎの者たちで、船が難破しそうになったとき、彼らはそれぞれ自分の神に向かって叫んだとあります(5)。それは船を出港させる季節が決まっており、暴風雨の季節は避けていたため、あまりにも不自然な暴風は何かの力が働いたと考えたからです。大荒れの天候の中船は揺れ、水夫は荷物を海に投げ込んでいましたが、ヨナは船底で寝ていたとあります(5)。これはイエス様が湖で船に乗られたときの話に似ています(マタ8:24)。暴風でも嵐でも、大荒れの状態の中で平安で寝れるのは、神に対する絶対的な信仰があるからです。ヨナは神から逃れようとしましたが、神への信仰を捨てたわけではありません。むしろ、神とはよく交わり、主の御声を聞き分けることができたのだと思います。それゆえに、残忍国家アッシリアのニネベに悔い改めを伝えに行くのは納得がいかなかったのです。