死んだほうがまし

ヨナ4:8「太陽が上ったとき、神は焼けつくような東風を備えられた。太陽がヨナの頭に照りつけたので、彼は衰え果て、自分の死を願って言った。「私は生きているより死んだほうがましだ」」
「死ぬ」のヘブル語は「maveth(マベース)」で「生きる」は「chay(カーイ)」です。直訳ではヨナは「死ぬことが生きるより良い」と言っています。しかも2回も主に向かって悪態をついているのです。そもそもヨナが最初に主から命令されたときタルシシュまで逃げたのを見てもわかるように(1:3)、どうも主に従う姿勢に問題があったようです。それでも魚の腹の中に閉じ込められたときは、「死んだほうがまし」とは言わず、素直に悔い改め、感謝を捧げました(2:9)。ヨナの出身はガテ・ヘフェルとなっており(2王14:25)、ゼブルン族だと思われます(ヨシュ19:13)。ヨナはイスラエルが領土を回復することを預言し、ヤロブアム2世の王の時代には一目置かれていた預言者だったようです(2王14:25)。しっかりと主のことばを伝えるたまものがあるにも関わらず、ヨナはニネベが救われようとするのを個人的な思いで不愉快に感じていたのです(1)。主が十戒の最後に「隣人のものを、欲しがってはならない(出20:17)」と言われたのは隣を見て比べることを禁じるためです。ヨナはその誘惑に弱かったのです。