創世記45章 神は私をあなたがたより先に

創45:7「それで神は私をあなたがたより先にお遣わしになりました。それは、あなたがたのために残りの者をこの地に残し、また、大いなる救いによってあなたがたを生きながらえさせるためだったのです」
パウロの言う「神がすべてのことを働かせて益としてくださる(ロマ8:28)」を地で行くヨセフの物語です。すべての出来事はヨセフをあらかじめエジプトに遣わし、高位置に就かせ、ヤコブらの家族をカナンから救い出すという神のご計画によるものでした。ただし、パウロのすべてが益になる、というのには条件があります。それは「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々(ロマ8:28)」というものです。この「神のご計画に従って召された」というのがとても重要なポイントになります。何でもかんでも神が益にしてくれる、考えるのはいかがなものでしょうか。確かにヨセフ自身、最初に夢のことを兄弟に話した態度は感心できるものではありませんでした(37:6-7)。エジプトに渡り、ポティファルの妻に言い寄られたあげく牢屋に入れられたり(39:7-20)、夢の解き明かしをしても忘れられたりと(40章)多くの苦い経験を積んできています。その都度ヨセフはポティファルの妻を憎んだり、献酌官長を恨んだりした記述は聖書に書かれていません。すべて神のご計画の中に自分がいることを理解していたのだと思います。神のご計画に従って召された人の態度は、ヨセフのようなものではないでしょうか。