創世記50章 優しく語りかけた

創50:21「ですから、もう恐れることはありません。私は、あなたがたや、あなたがたの子どもたちを養いましょう。」こうして彼は彼らを慰め、優しく語りかけた」
積年の恨みはなかなか消えないものです。ヨセフが兄たちに売られてから30年が過ぎようとしています(47:28)。30年は恨みが消えるまでには足りないのでしょうか?忠臣蔵ならわずか2年足らずで復讐を果たしました。ヤコブは自分の兄エサウと20年ぶりに再開するのに、相当な警戒感を抱いていました(33:1-4)。ヨセフの兄弟たちが奴隷となるといっても(18)、ヨセフは47歳で、兄たちは60歳前後の老齢に差しかかっていました。ヨセフが夢を解き明かす、超能力者であっても人格が高潔とは限りません。しかし、ヨセフは夢を解き明かす時には「それを解き明かすことは、神のなさることではありませんか(40:8)」、「私ではありません。神がパロの繁栄を知らせてくださるのです(41:16)」と自分が解き明かすのではないと明言しています。神からの霊を受けた者が神のような人格になることはパウロも証言しています。「完全におとなになって、キリストの満ち満ちた身たけにまで達するためです(エペ4:13)」、このことばはまさしくヨセフに当てはまるもので、ヨセフは成熟した大人となって兄弟たちを慰めるのです。ヨセフが優しい言葉をかけれるようになるには30年の時間が必要でした。