マタイ4章 異邦人のガリラヤ

マタ4:15「ゼブルンの地とナフタリの地、湖に向かう道、ヨルダンの向こう岸、異邦人のガリラヤ」
イザヤ書には「先にはゼブルンの地とナフタリの地は、はずかしめを受けたが、後には海沿いの道、ヨルダン川のかなた、異邦人のガリラヤは光栄を受けた(イザ9:1)」となっています。おそらくマタイ自身がユダヤ人で、イザイの預言でゼブルンとナフタリが書かれている箇所はここしかないことを知っており、同じユダヤ人ならば読む人はすぐに理解できると考えたようです。ゼブルン、ナフタリの地はイスラエルの最北にあり、敵が北から攻撃するにはこの地を通り、イッサカル、マナセ、エフライムと侵入するルートになります。さらにガリラヤが異邦人の地だとされるのは、ユダヤ人同士の中でもガリラヤ地方の人の容姿はちょっと違っていたようで(ルカ22:59)、福音書の中でもちょっと下に見られる様子が書かれています。そのようなガリラヤ人を多く弟子にしたのは、イエス様の「わたしは、イスラエルの家の失われた羊以外のところには遣わされていません(15:24)」とあるようにガリラヤ人もまたアブラハムの子孫だと認めていたからです。ガリラヤが拠点となり、福音はこの地から広まります。まさに「死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が照った(イザ9:2)」の成就です。