マタイ27章 この方はまことに神の子であった

マタ27:54「百人隊長および彼といっしょにイエスの見張りをしていた人々は、地震やいろいろの出来事を見て、非常な恐れを感じ、「この方はまことに神の子であった」と言った」
この百人隊長が、自分のしもべを癒してもらったあの百人隊長のことなのかは書かれていません(8:5)。イエス様が「イスラエルのうちにだれにも、このような信仰を見たことがありません(8:10)」と言わしめた、ローマの兵士ながら権威の意味を知っていた人のことです。しかも、イエス様にはいやす力があると信じて疑わなかったのです。もし、仮に同一人物であったなら、その心境はかなり複雑だったと思われます。彼はイエス様の最後を看取り、神殿の幕が裂け、地震が起こり、岩が裂けたのを目撃します(50-51)。これらの出来事と自分がしもべをいやしてもらったことを重ね合わせて考えたとき、彼の心にある一つの確信ある答えが思い浮かびました。それは十字架にかかった男は神の子であるという結論です。百人隊長はイエス様の見張りしていたので、「自分を救ってみろ(40)」や「十字架から降りてもらおうか(42)」という言葉も耳にしていたはずです。「あなたの信じたとおりになるように(8:13)」と言われたその時に、しもべがいやされたことを目撃した百人隊長が、イエス様が死んだことで裏切られたとは思いませんでした。逆に、地が揺れ、神殿の幕が裂けたことでますます「イエス」こそ、神の愛された唯一の子だと確信したのです。