出エジプト30章 混ぜ合わせの香油を作る

出30:25「あなたはこれらをもって聖なるそそぎの油を、調合法にしたがって、混ぜ合わせの香油を作る。これが聖なるそそぎの油となる」
「香油」と「香料」は違うものです。そそぎの油と書かれている「香油」は没薬、肉桂、におい菖蒲とオリーブ油を混ぜた香りのきつい油のことです(23-24)。一方、「香料」はナタフ香、シェヘレテ香、ヘルベナ香と乳香を同量混ぜ合わせたもので、これはどんな香りなのか想像もつきません。幕屋の詳細が明らかになるにつれ、祭司がどのような装束を着て(28章)、どのように神に仕えるのかがわかってきました。それによるなら、神に近づくためにはとにかく贖われていなければならなく、捧げものの血がいたるところでまかれています。特に祭壇にはいつもほふられた捧げものの血が注がれ(レビ1:5)、ヘブル書によれば礼拝の器具すべてに血が注がれたとあります(ヘブ9:21)。もし、そうならば幕屋は相当に血なまぐさいものだったと思われます。さらに祭司たちは右耳たぶ、右親指、右足の親指にも血が塗られていたのです(29:20)。これが毎日繰り返されるなら、相当な匂いになっていたと考えられます。そのため主の考えた「香油」と「香料」は、そのような生臭い動物のにおいを打ち消す効果もあったと思います。そのための1キュビト角の香壇が作られ、聖所におけるメノラー、パンの机とともに(25:30-31)3つの大切な器具として数えられていたのです。