使徒7章 ステパノに向かって歯ぎしりした

使7:54「人々はこれを聞いて、はらわたが煮え返る思いで、ステパノに向かって歯ぎしりした」
もともとはリベルテンの会堂の者たちが、ステパノと議論しても太刀打ちできなかったことが事の発端です(6:9-15)。リベルテンは解放された元奴隷であり、クレネ、アレキサンドリヤ、キリキヤ、アジヤとまだ福音が伝わっていないところから帰ってきたユダヤ人たちでした(6:9)。ステパノはキリストによって、罪が贖われたことを語ったようですが、律法を重んじる彼らにはまだ理解できなかったようです。そこで、うその証言をさせ、議会に引っ張り出し、長老、祭司、律法学者たちにステパノを罰してもらおうと画策しました(6:12-14)。ギリシャ語名のステパノがユダヤ人の議会で、何を語るかと思いきや、アブラハムから始まるユダヤ人の歴史を語りだしたのです(2)。その中で、彼らが歯ぎしりする原因となったのは、神殿には神は住まないということ(48-50)、彼らが預言者を殺してきたこと(52)が挙げられます。特に最後の「あなたがたは、御使いたちによって定められた律法を受けたが、それを守ったことはありません(53)」は、決定打になったようです。ステパノに対する思いは歯ぎしりだけでは済まなくなったのです。