使徒21章 あの七人のひとり

使21:8「翌日そこを立って、カイザリヤに着き、あの七人のひとりである伝道者ピリポの家に入って、そこに滞在した」
パウロの3回目の伝道旅行もエルサレムに到着したら終わりです。パウロとしては、エペソに近いミレトという港町からは(20:16)、船による旅で一気にエルサレムに戻るつもりでした。とはいうものの、当時に旅のための客船などなく、パウロ一行が乗るのは積荷を積んだ商船でした。エルサレムまでの直行便がなく、ツロで荷を下ろすときに下船し、トレマイまで陸路で進んだのです(7)。そして、カイザリヤ、エルサレムと進みました。カイザリヤからエルサレムまでは4日ぐらいの道のりで、ここにピリポがいました(8)。「あの七人」という書き方になっていますが、食事の配給でギリシャ人ややもめがなおざりになっていたときに指名された、ステパノを含む7人のことです(6:5)。ピリポといえばガザでエチオピヤの宦官に伝道し、彼にバプテスマを授けた直後テレポーテーションをしてアザトに現れたことが思い出されます(8:26-40)。そのときにカイザリヤに行ったことが書かれているので、そのままそこに住み着き伝道をしていたと思われます。ピリポの4人の娘たちは全員預言者となっていました(9)。おそらく娘たちは、イエス・キリストを父から伝えられ、彼女たちもピリポ同様に神に仕える者となっていたと思われます。ともに聖霊に満たされたパウロとピリポは、使徒の働きのなかでも大きな活躍をした2人です。イエス・キリストにある兄弟ピリポがパウロを厚くもてなしたことは想像できます。