民数記13章 必ずそれができるから

民13:30「そのとき、カレブがモーセの前で、民を静めて言った。「私たちはぜひとも、上って行って、そこを占領しよう。必ずそれができるから」」
さすがユダ族は考えることが違います。ヤコブの遺言のときに預言された「ユダは獅子の子(創49:9)」のことば通りです。古くからイスラエル12部族の紋章が使われていますが、ユダ族は獅子を形どった紋章になっています。ユダは「主を賛美する」ものたちでしたが、常にイスラエルの隊列の先頭に立ち民を導く役目でした。そのような勇敢な部族の族長らしく、カレブは他の部族とは別の意見を述べるのです。カナンの地は乳と蜜が流れる土地だが(27)、そこにいる先住民はイスラエルより強い(31)、というのが他の族長が報告したことです。しかし、カレブは巨人ネフィリムを見ても怯まず、「攻め上ろう(30)」と言うのです。結局、11対1の意見の対立もむなしく、他の部族は「エジプトに帰ろう(14:4)」と訴えます。これが、主の怒りの引き金となりました。おそらくこの段階で、彼らが主の備えてくださった地が自分たちのものになると、主に感謝を捧げていたら40年間の荒野の放浪はなかったと思います(14:34)。イスラエルの民はカナンの地の境界すぐ近くまで来たのに入れず、かえって不満を主につぶやいてしまったのです。聖書にはエジプトと荒野で10回も主を試み、主の声に聞き従わなかった(14:22)、と書かれています。それでも神は10回もイスラエルの不信仰を忍耐され、お許しになられたのです。