2歴代誌5章 二枚の板のほかには何も入っていなかった

2歴5:10「箱の中には、二枚の板のほかには何も入っていなかった。これは、イスラエル人がエジプトから出て来たとき、主が彼らと契約を結ばれたときに、モーセがホレブで入れたものである」
ヘブル書の「箱の中には、マナの入った金のつぼ、芽を出したアロンの杖、契約の二つの板がありました(ヘブ9:4)」と書かれているのと食い違うと言う人もいますが、実際には両方とも正しいのです。アロンの杖については「アロンの杖をあかしの箱の前に戻して、逆らう者どもへの戒めのため、しるしとせよ(民17:10)」と書かれ、常に杖は箱の前に置かれていたことがわかります。マナについても「つぼを一つ持って来て、マナを一オメルたっぷりその中に入れ、それを主の前に置いて(出16:33)」とあり、アロンはモーセのことばとおりに、マナの入ったつぼをあかしの箱の前に置きました(出16:34)。アロンの杖とマナのつぼは、常時箱の前に置かれていたのに対し、十戒の書かれた板2枚だけは、ずっと箱の中にしまわれたままです。これは荒野でいつも移動していた幕屋に準じて、契約の箱の前に置かれた杖とつぼは、移動の際には箱の中にしまっていたのだと思われます。移動のときに契約の箱の中には、契約の板2枚、アロンの杖、マナの入ったつぼの3つになります。一旦、移動が終わり聖所、至聖所が組みあがると杖とつぼは箱の前に置かれます。至聖所の中で箱を見た人にとっては、箱の中には板2枚しかないということになります。そのような証言ができるのは祭司しかいません。