詩篇6篇 主は私の泣く声を聞かれた

詩6:8「不法を行なう者ども。みな私から離れて行け。主は私の泣く声を聞かれたのだ」
「主よ」と5回も呼びかけているのは(1-4)、ダビデが何かを主に求めているからです。「責めないでください(1)」「懲らしめないでください(1)」「あわれんでください(2)」「いやしてください(2)」「助け出してください(4)」これらはダビデが窮地に立たされていることを示しています。その原因は「不法をおこなう者ども」による攻撃です。それが具体的に何なのかはわかりません。しかし、敵に対して自分が主に願ったことは聞かれたことを宣言しています(9)。不法を行なう者が必ずしも、他国の異教徒だとは限りません。自分のまわりの中にもそういう者はいたのでしょう。ダビデは直接、自分の敵に手を下そうとはしていません。さばくことは主の領域を侵すことをダビデは理解していました。それゆえに「主は私の切なる願いを聞かれた(9)」といい、「主は私の祈りを受け入れられる(9)」と敵を跳ねつけています。祈りが単に人が一方的に語るものならば、祈りはむなしい行為に終わってしまいます。しかし、自分が祈ったことが主に聞き入れられ、自分がさばくのではなく、主がさばかれることを信じるならダビデと同じ信仰があると言えるでしょう。ダビデのように苦しい立場にいるときこそ、必死で神を求め、祈り、主の答えを心に聞けるのだと思います。