詩篇34篇 気が違ったかのようにふるまい

詩34「ダビデによる。彼がアビメレクの前で気が違ったかのようにふるまい、彼に追われて去ったとき」
気が違ったように書かれている箇所は1サムエル記21章だけです。そのときダビデはガテ王アキシュのところに行ったとあります(1サム21:10)。サムエル記では祭司アビメレクに身を寄せたとき、ダビデは単身で家来を連れていませんでした(1サム21:1)。そこでダビデが手に入れたのは自分が倒したゴリアテの持っていた剣だったとあります。よりによってガテの地に行くのにゴリアテの剣を持っていくとは、あまりにも不用意な行動です。ゴリアテは身長が6キュビト半あったとありますから(1サム17:4)、彼の持っていた剣も相当大きかったと思われます。それだけでも怪しい雰囲気のイスラエル人がガテの地にやってくるのです。目立たないわけがありません。しかもゴリアテが倒されてからそんなに時間は経っていませんでした。当然、ダビデを知る者がいてもおかしくありません。怪しい大きな剣を抱えたイスラエル人、しかもたった1人、まわりにはダビデだと知る者たち…いろいろな条件が重なり、ダビデは気がふれたように振舞ったと思われます。それでも、ガテから逃れたときに歌ったのは、心からの主への賛美でした。