申命記9章 私が正しいから

申9:4「あなたの神、主が、あなたの前から彼らを追い出されたとき、あなたは心の中で、「私が正しいから、主が私にこの地を得させてくださったのだ」と言ってはならない。これらの国々が悪いために、主はあなたの前から彼らを追い出そうとしておられるのだ」
成功者の考えることは大体このような感じです。「勝てば官軍」的な思想はいつの時代にもあり、強い者が正義だとして歴史は作られてきました。しかし、聖書の神はイスラエルを選び、導いてきたのに「あなたが正しいからではなく、またあなたの心がまっすぐだからでもない(5)」とはっきりと言われています。さらに「あなたはうなじのこわい民である(6)」と言われ、イスラエルの頑固さを知った上で守り、導いておられたのです。その背景には荒野での主に従わなかった出来事があります。決定的だったのが、十二人を約束の地を偵察に行かせたときです。ヨシュアとカレブ以外の報告は否定的なもので、全会衆は大声をあげて叫び、夜を泣き明かしたとあります(民14:1)。このいくじのない否定的な態度には主も怒り「わたしは疫病で彼らを打って滅ぼしてしまい、あなたを彼らよりも大いなる強い国民にしよう(民14:12)」と言い、一度はイスラエルを滅ぼそうと決断していました。モーセの必死の祈りで主のさばきは回避できましたが、反逆したイスラエルの民は次の世代まで荒野で過ごさなければなりませんでした(民14:13-23)。イスラエルだけが頑固で、主の命令に従わないのではありません。彼らの行動はそのまま現代のクリスチャンに当てはめることができます。主を信じているからといって、自分が神のように正しくなるわけではありません。主はへりくだる者とともにおられます(イザ57:15)。