申命記15章 貧しい者がなくなるであろう

申15:4「そうすれば、あなたのうちには貧しい者がなくなるであろう。あなたの神、主が相続地としてあなたに与えて所有させようとしておられる地で、主は、必ずあなたを祝福される」
ユダヤ人が金に汚いと思われがちですが、それはキリスト教国にあって金融業以外の選択がなかったことに起因しています。特に中世のヨーロッパではほとんどの国がキリスト教になり、兄弟に金を貸すのに利子をとってはならないという通念がありました。実際のユダヤ商法と呼ばれるものは、非常に合理的で無駄がありません。もし、申命記にあるように7年ごとに負債の免除が行われいたら、「貧しい者がいなくなるであろう」という主のことばとおりになったでしょう。逆に言うと7年の間にしっかりと取り立てをしなければ損をしてしまいます。しかし、神はあなたがたは祝福を受けるのだから国々に貸すことはあっても、借りることはないと言われています(6)。7年が過ぎたなら惜しむことなく与え、心に未練を持ってはならないと戒めています(10)。この時間の感覚は、主が6日間働かれ7日目に休まれることを思い出します。神は休むことなく働けるお方です。7日目に安息を設けられたのは、疲れたからでなくすべてのわざが完成したからです(創2:2)。同様に7年という周期が終わることは、主の考えておられる時間の輪が完了を示しているのだと思います。いつまでも貸した、借りたの思いで心を満たすのでなく、一度すべてを清算し新しい時を迎えるチャンスが御言葉によって与えられているのです。