申命記26章 乳と蜜の流れる地です

申26:15「あなたの聖なる住まいの天から見おろして、御民イスラエルとこの地を祝福してください。これは、私たちの先祖に誓われたとおり私たちに下さった地、乳と蜜の流れる地です」
アブラハムが行けと命じられた土地は「乳と蜜の流れる地」とは表現されていませんでした(創12:1)。主が「乳と蜜の流れる地」と言われたのは出エジプトのときです(出3:8)。いよいよ、イスラエルの民は40年の旅を終えて約束の地に入ろうとしてるのです。では、実際に約束の地は乳と蜜の流れる地だったのでしょうか?現在のイスラエルは地中海よりやや南に位置し、四季はありますが日本の鹿児島とほとんど同じ緯度のため雪は降りません。南にはネゲプ砂漠があり、雨は種まきのときと収穫のときの2回だけ降り、残りの月はほとんど雨は降りません。イスラエルが海水を淡水化する技術を開発したのは1990年以降です。現在ではイスラエルの生活水の6割が海水からまかなわれており、水利権はヨルダンにも分けており、平和条約締結の1つの条件となっています。しかし、旧約、新約の時代にはお世辞にも水の豊かな土地とは言えませんでした。なぜ主はイスラエルの土地を乳と蜜の流れる地だと言われたのでしょうか。聖書には「あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地は、山と谷の地であり、天の雨で潤っている(11:11)」とあり、エジプトのように自分で水をやらなくてもよいとあります(11:10)。あくまでも400年いたエジプトと比較しての話です。それでも確かに彼らは約束の地で、豊かな収穫を迎えて主を賛美することができたのです。