申命記31章 外国の神々を慕って

申31:16「主はモーセに仰せられた。「あなたは間もなく、あなたの先祖たちとともに眠ろうとしている。この民は、入って行こうとしている地の、自分たちの中の、外国の神々を慕って淫行をしようとしている。この民がわたしを捨て、わたしがこの民と結んだわたしの契約を破るなら」」
約束の地に入る前に語られた主のことばです。まだ、ヨルダン川も渡っていないのに、すでにイスラエルの民が外国の神々を慕って淫行をしようとしていることが預言されています。モーセ自身も十戒を授かった直後に、イスラエルの民が金の子牛を神に見立てて踊っていたのを目撃しています。そして怒りのあまり大切な十戒の石の板を砕いてしまうのです(出32:19)。その後いろいろなことがあり、その度にモーセが民をさばき、律法を守るように導いてきました(出18:13)。しかし、約束の地を偵察した者たちは、ヨシュアとカレブ以外は全員意気消沈してしまうのです(民13:33)。このことが引き金となり、イスラエルの民は現世代の者たちは入ることができなくなりました。主の計算では偵察に行った40日を1日1年と見なして、40年間彼らの咎を負わせたのです(民14:34)。その40年のみそぎも終わり、いよいよ約束の地に入ろうとしているのに、彼らは他の神々に心を奪われると言われています。なぜイスラエルの民が聖書に書かれている、アブラハム、イサク、ヤコブの神であり、エジプトから導き出した神のみに心を留めることができなかったのでしょうか。神の選ばれた民は非常に聡明で、好奇心も強く、しかも頑固な性格でした。頭が柔らかい人ほど多くの意見を取り入れる度量があります。他の神にもいい面があると考えたのかもしれません。