民数記27章 神の霊の宿っている人、ヌンの子ヨシュア

民27:18「主はモーセに仰せられた。「あなたは神の霊の宿っている人、ヌンの子ヨシュアを取り、あなたの手を彼の上に置け」」

確かにヨシュアモーセよりも若く、知恵と力に満ちていました。それでも、荒野で40年が過ぎるならヨシュアも最初に約束の地に偵察に行ったときの若さはもうありません。仮に、偵察時にヨシュアが20歳だとしても約束の地に入る頃には60歳になっています。イスラエルを導き、彼らと指導するリーダーとしては熟年の賢者となっていたでしょう。問題はその後の後継者が決まっていなかったことです。ヨシュアが約束の地で、原住民と戦い勝利を収め、次々と領土を広げていったのはヨシュア記に記されています。その後、部族ごとに割り当てが決まり、各部族はそれぞれの地に散っていきます。その際に、ガド、ルベン、マナセの半部族はヨルダン側を渡らず、約束の地の前に残りました(32:33)。イスラエルは部族ごとのまとまりは強くなりましたが、イスラエル全体のリーダーはなく、次第に自分勝手に地を治めるようになるのです。日本でも天皇の後継者決めは、大きな問題となっていますが、モーセヨシュアを指名したように、ヨシュアは次の指導者を指名しませんでした。自分と同じように神の霊を宿す者が見つからなかったのかもしれません。やがて、イスラエルはさばきつかさの時代から王の時代へと移っていくのです。