詩篇58篇 耳の聞こえないコブラのよう

詩58:4「彼らは蛇の毒のような毒を持ち、耳をふさぐ、耳の聞こえないコブラのよう」
耳をふさぐの「ふさぐ」のヘブル語は「atam(アターム)」で、「細くなった」とか「ふさがれた」という意味があります。蛇には耳がありますが、鼓膜はありません。耳そのものが非常に小さく、皮膚の振動を脳に伝える役割をしていて、人間の耳とは全く機能が違います。不思議なことにダビデは蛇使いを見て、蛇が蛇使いの声を聞いていないと感じているのです(5)。毒を持ち、人の言うことを聞かない蛇は最悪です。ダビデは悪者をそのようなコブラと同じようだと言っています(4)。人の言うことは聞かず、毒ばかり吐く人ほど嫌なものはありません。そのような人に出くわしたとき、どうしても攻撃し、相手をギャフンと言わせたくなります。しかし、ダビデの基本姿勢は神にさばきをゆだねることで、彼の信念は一切ゆらぎがありません。ダビデは最後には「まことに、正しい者には報いがある。まことに、さばく神が、地におられる(11)」と言うことができ、神に栄光を帰すことができれば満足なのです。残念ながら、コブラのような人は現代でも多く見かけます。