詩篇60篇 スコテの谷を配分しよう

詩60:6「神は聖所から告げられた。「わたしは、喜び勇んで、シェケムを分割し、スコテの谷を配分しよう」」
この内容は詩篇108篇のものと同じです(108:7)。以降「ギルアデはわたしのもの」から「ペリシテ」にいたるまで同じことが歌われています(108:8-9)。シェケムはエフライムの山地にあり、スコテはヨルダン川の東にある地です。この2箇所を中心にイスラエルの国は広がり、北はダンでマナセの領土、南はベエル・シェバでシメオンの領土となっていました。ダビデが二度もこのことを詩編に残しているのは、おそらくシェケムとスコテは最重要軍事拠点だったからだと思います。この詩篇の表題には「ヨアブが帰って来て、塩の谷でエドムを一万二千人打ち殺したときに」となっていますが、サムエル記ではダビデが18000人を打ったことになっています(2サム8:13)。また歴代誌には塩の谷で18000人を打ったのはアブシャイだと書かれています(1歴18:12)。この詩から推測するならば、ヨアブやアブシャイを先陣として送り出し、ある程度の戦果が挙げられたあとに、ダビデ自身も出陣しようとしているように思えます。それは「だれが私をエドムまで導くでしょう(9)」や「あなたは、もはや私たちの軍勢とともに、出陣なさらないのですか(10)」という言葉が裏付けています。ヨアブが戦果を挙げていても、主のともに出陣しないのならダビデは戦いに行くつもりがないようです。勝利は主がくださったことを理解しているダビデならではだと思います。