詩篇60篇 あなたは私たちを拒み

詩60:1「神よ。あなたは私たちを拒み、私たちを破り、怒って、私たちから顔をそむけられました」

ダビデがモアブやアラモを攻めているとき、主はダビデの行く先々で勝利を与えられた、と書かれています(2サム8:6)。しかし、この詩篇ではダビデは神から拒絶され、顔をそむけられるようなイメージを持っています(1)。実際の戦闘ではサムエル記にあるように、連戦連勝だったのだと思います。たとえ、表題にあるようにモアブが塩の谷で12000人を撃ち殺したとしても、ダビデは主が応えられるのを待っているように感じます。レファイムの谷でペリシテ人と対峙したときも、「ペリシテ人を攻めに上るべきでしょうか。彼らを私の手に渡してくださるでしょうか(2サム5:19)」と伺いをたてています。その問いに主は「上れ。わたしは必ず、ペリシテ人をあなたの手に渡すから(2サム5:19)」と答えています。このように、ダビデが出陣するときは主への伺いは不可欠で、神からの答えがなければダビデは出陣しないのだと思います。いま、ダビデが主の答えを聞こうとしているのに、主はなかなか応えてくださいません。すでに先発隊は大きな戦果をあげています。それは「出陣なさらないのですか(10)」ということばに集約されているように、ダビデが戦うのではなく、神とともに出て行こうとする姿勢が表れているのではないでしょうか。