ルカ3章 ヨセフの子と思われていた

ルカ3:23「教えを始められたとき、イエスはおよそ三十歳で、人々からヨセフの子と思われていた。このヨセフは、ヘリの子、順次さかのぼって」
ルカは「ヨセフの子」とは書かずに、「ヨセフの子と思われていた」と書いています。それはテオピロにすでに、エリサベツとマリヤがどのような経緯て、ヨハネとイエス様を産んだかを書いていたからです(1-2章)。マリヤが聖霊によって身ごもったことは、ルカが綿密に調べた結果であり(1:3)、それまで多くの人はイエス様はヨセフの子だと思っていたようです。そうするとテオピロには、「エッサイの根株(イザ11:1)」と預言されていたキリストが、ダビデの子孫に現れることと矛盾するのではないかと考えたと推測できます。確かにヨセフがマリヤに触る前に子どもができたのですから、ヨセフの血は流れていないことになります。ルカの系図には多くの知らない名前が登場し、旧約聖書を調べても追跡のしようがありません。唯一、新改訳の欄外の注釈にヨセフの父ヘリというのは「イエスの母マリヤの父。ヨセフの養父」と書かれています。マタイの系図ではヨセフの父は「ヤコブ」となっていますが(マタ1:15)、何らかの理由でヨセフは養父に育てられるようになったようです。ヨセフの養父、すなわちマリヤの父の系図をたどってもダビデに行き着き、ダビデの父エッサイに行き着くのです。