ルカ20章 この石の上に落ちれば

ルカ20:18「この石の上に落ちれば、だれでも粉々に砕け、またこの石が人の上に落ちれば、その人を粉みじんに飛び散らしてしまうのです」
聖書で書かれている「礎石」は単数形ばかりなので、礎の石となる石は1つだけです。英語では「corner stone」と訳され「隅石」の意味ですが、おそらく礎石はこれから建てようとする建物の中心に置かれたのだと思います。ソロモンが自分の宮殿を建てようとしたときに、礎は高価で大きく、10キュビト近くあったことが書かれています(1王7:10)。建築現場ではこれから建設を始めるときに、必ず東西南北を測り、中心部を探ります。イエス様の言われた「家を建てる者たちの見捨てた石(17)」ということばは、詩篇からの引用です(詩118:22)。この「人が見捨てた石」が、殺されたぶどう園の息子とイメージが重なり、律法学者たちがイエス様の言葉尻を捕まえて、罰してやろうとしていることを思い起こさせたのです。それゆえに彼らは自分たちがぶどう園の息子を殺したように感じ、教えを広めているイエス様を見捨てようとしていると思ったはずです。多くのいやしを行ない、律法に関してどんな質問でも、聖書から解き明かすこと男は、自分たちの立場を危うくする存在以外のなにものでもありません。しかも、「粉々に砕け(19)」という表現は、まさしく自分たちの心を指していると感じたはずです。律法学者たちは、すぐにでもイエス様を捕らえたいと考えましたが、民衆は奇跡を行なうイエス様の味方でした。