捨てられた石

詩118:22「家を建てる者たちの捨てた石。それが礎の石になった」
エス様は自らが人から捨てられることを多くの人に伝えようとしましたが、当時の人たちはなかなか理解できませんでした。イエス様がこの箇所を引用したことは共観福音書すべてに記載されており(マタ21:42、マコ12:10、ルカ20:17)、またパウロもペテロもそれぞれ引用しています(エペ2:20、1ペテ2:7)。ペテロは使徒の働きの中でこの「礎」はナザレ人イエス・キリストのことだと明言しています(使4:11)。113編からはじまる118編までの一連の歌は、ユダヤ人たちが過ぎ越しの祭りなどで歌われている有名な歌です。特に118編はメシヤのことが書かれているユダヤ人には忘れがたい詩です。そういう意味でもパウロやペテロがよく知っていて、この中から引用したことはうなづけます。そして本来捨てるべき石が家のすべての土台になったことは、主のなさったことで人の目には不思議なことです(23)。人から人望もあり、立派な人だけが主に用いられるわけではありません。駄目な人間でも主は用いられます。それは人には理解できない主の御心です。