詩篇79篇 あなたを知らない国々に

詩79:6「どうか、あなたを知らない国々に、御名を呼び求めない王国の上に、あなたの激しい憤りを注ぎ出してください」
エルサレムが廃墟(1)になったのはバビロン捕囚のときです。2017年度訳では「エルサレムをがれきの山としました」となっています。ユダ国はヨシヤ王の宗教改革によって立ち直ろうとしていた矢先に、エジプト、パロ・ネコがアッシリアに近づこうと上ってきました。ヨシヤ王はパロ・ネコを迎え撃とうとしましたが、逆に殺されてしまいます(2王23:29)。これでユダ国は事実上エジプトの傀儡(かいらい)国となり、あとは滅びへと一直線に進んでいくのです。ヨシヤ王の神への回帰の政策がそのまま実行されていたなら、ユダ国はもう少し永らえることが出来たかもしれません。これらはエレミヤに預言され(エレ30章)、エルサレムの滅びが宣告されていました。神の民には何度も悔い改めるチャンスはありました。それでも、主が愛したエルサレムをがれきの山にした国に対して、何とか復讐してほしいと願うのは神の民としては当然のことだと思います。先祖の咎を自分たちに負わせないでほしいのです(8)。何よりもアッシリアは異邦の神の国で、彼らは「御名を呼び求めない」民なのです(6)。イスラエルの神の選びを信じるからこそ、このような詩が生まれたのだと思います。