士師記11章 三百年間住んでいたのに

士11:26「イスラエルが、ヘシュボンとそれに属する村落、アロエルとそれに属する村落、アルノン川の川岸のすべての町々に、三百年間住んでいたのに、なぜあなたがたは、その期間中に、それを取り戻さなかったのか」
エフタの話しているのはイスラエルヨルダン川を渡る前のモーセの時代のことです(民21:25)。イスラエルがヘシュボンを占領してから300年も経過しているのです。エフタの説得材料としては、ヘシュボンを取ったのは主が勝たせてくださったからで、今、アモン人が300年前と同じ過ちを犯さないように、というものでした。もし、忠告を無視してイスラエルに攻め入ってくるなら、審判者である主がさばいてくださる、というのがエフタの最終結論でした。しかし、アモン人の王はエフタの言葉を聞き入れませんでした(28)。エフタはギルアデ人で、マナセ族です(民26:29)。マナセは半分に分かれ、ヨルダン川を挟んで東と西に分かれています(民32:29)。今回の騒動はヨルダン川の東、マナセ族が放牧のために取ったギルアデの地にアモン人が攻め入ったことに端を発します(4)。エフタはギルアデの長老が助けて欲しいと懇願されたとき、自分はギルアデ族から追い出された身である、と乗り気ではありませんでした(7)。エフタはすぐに行動するタイプではなく、長老たちには渋り、アモン人とはすぐに戦わず交渉しています。その延長上に主への誓願があるのです(31)。彼の慎重さが一人娘の命に関わったのです(34)。