詩篇89篇 彼に対して真実である

詩89:28「わたしの恵みを彼のために永遠に保とう。わたしの契約は彼に対して真実である」
「彼」とはダビデのことです。ダビデと契約を交わしたというなら、おそらく「彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしはその王国の王座をとこしえまでも堅く立てる(2サム7:13)」が挙げられます。また、歴代誌にも同様のことが書かれています(1歴7:12)。いわゆるダビデ契約と呼ばれているもので、このことを指しているのなら詩篇89篇でヘマンの口を通して、主が契約の再確認をしたことになります。しかし、聖書にはダビデの子孫ゼデキヤ王を最後にバビロン捕囚となり、あたかも王の系図が途絶えたかのようになっています(2王25:7)。つまり旧約聖書だけを読むならば、主がダビデに約束された王国の王座をとこしえまで立てることが途絶えたままになっているのです。ところが新約の時代になり、マタイはその福音書の最初の書き出しから、ダビデ系図は続いていることを証明しています(マタ1:1-17)。そして、イエス・キリストが十字架にかかり、復活されたことにより、「とこしえまでも」という約束が現実のものになり得ました。もちろん、主が戻ってこられ王国の王座に着くまでは、もう少し時間が必要ですが、現代に生きている我々にとっては、ダビデ契約が真実であることをキリストを通して理解できるのです。