詩篇119篇 幸いなことよ

詩119:1「幸いなことよ。全き道を行く人々、主のみおしえによって歩む人々」
119篇の最初は「幸いなこと」、英語では「blessed」、ヘブル語「esher(エシャー)」から始まっています。「esher」はヘブル語のアルファベットの最初の「アレフ」で始まる単語です。以下8節に至るまですべての歌い出しが「アレフ」を使った単語から始まっています。このように8節全部が「アレフ」で始まり、以下8節ごとのすべての歌い出しがヘブル語のアルファベットの順番になっています。従って次の9節から16節までは「ベート」、17節から24節まで「ギメル」、18節から32節までを「ダレット」で始まっています。おそらくこの119篇は即興では無理だと思います。あらかじめ何かに記しておいたものを見ながらとか、参考にしながら歌ったのではないでしょうか。その場で言葉を思いついたとしても、きれいな歌詞になるとは限りません。しかし、119篇は一貫して主への語りかけと賛美が続き、急に思いついたものとは考えにくいです。あるいは、誰かが詩を歌うときにすべての歌い出しをアルファベットの順番にしようと、提案したのかもしれません。とにかく語彙の少ない言語ではこのような遊び心のある歌い方はできません。ヘブル語が十分に発達し、表現力においても豊かな言語だったことがわかります。