詩篇119篇176節まで あなたの仰せを忘れません

詩119:176「私は、滅びる羊のように、迷い出ました。どうかあなたのしもべを捜し求めてください。私はあなたの仰せを忘れません」
最後の8節、すなわち169節から176節はヘブル語のアルファベット最後の文字「タウ」から始まる詩です。英語の「T」の発音に似ています。最後の176節に歌い手が何を選んだかは気になるところですが、176節の歌い始めは「taah(タアー)」となっています。意味は「誤る」とか「正しい道からそれる」というものです。自分は正しい道を見つけられず、迷っています…という歌い出しです。最後には「あなたの仰せ」となっていますが、ヘブル語では「mitsvah(ミツバー)」が使われており、「律法」のことを指しています。日本語では「ミツワー」とも表記し、「戒律」と訳されています。ここで歌い手が単純に主が言われたいくつかのことばを思い出し、それを忘れませんと歌っているのではなく、トーラーに書かれてある613のミツワーを忘れないと歌っているのです。英語では「mitsvah」を「commandments」と訳しており、十戒は「ten commandments」でまさしく、主の律法のことです。119篇の最後が主が人にくださった律法のことばを忘れません、と締めくくられているのは、今までの長い詩の最後としてふさわしいものだと思います。たとえ道を迷ったとしても、心に主からのミツワーが備わっていれば、正しく導いてくださるでしょう。