ルツ3章 大麦六杯を量って

ルツ3:15「「あなたの着ている外套を持って来て、それをしっかりつかんでいなさい」と言い、彼女がそれをしっかりつかむうちに、大麦六杯を量って、それを彼女に負わせた。こうして彼は町へ行った」
ボアズがルツを最初に見たのは、ベツレヘムに帰ってきて自分の農地を見回ったときです(2:4)。ルツは自分が外国人だということを自覚していましたから(2:10)、目立たないようにしていたはずです。ボアズは自分の土地をしもべに任せっきりにするのでなく、自らの足で農地を見回り、もし見慣れない働き手がいたならすぐに気づく領主だったようです。そしてルツがモアブの地で夫と子どもを失くしたことを知っており(2:11)、ルツがナオミのもとにいることがわかると(2:6)、できる限りのことをルツにしてあげるのです。この段階でボアズがルツに好意を持っていたかどうかはわかりませんが、ルツがナオミと一緒にベツレヘムに帰ってきたのは、モアブの神でなく、イスラエルの神への信仰からだと知っていたようです。ルツが買い戻しの権利を話したとき、ボアズはルツがイスラエルの神の律法に従おうとしていることを悟るのです(9)。それでもボアズより買い戻しの優先順位の高い親類がいることで、ルツをその場でめとることはしませんでした。ボアズもルツも神の律法を重んじ、神への信仰によって生きる者たちでした。ボアズは他の女たちがルツが寝床に入ったことを悟られないように、一日分の大麦をルツに持たせ畑で作業していたように見せかけました。これもボアズの賢い配慮だと思います。