2サムエル1章 あの方を殺しました

2サム1:10「そこで私は近寄って、あの方を殺しました。もう倒れて生きのびることができないとわかったからです。私はその頭にあった王冠と、腕についていた腕輪を取って、ここに、あなたさまのところに持ってまいりました」
サウルの死を報告に来たアマレク人には、うさん臭さが充満していました。第一サムエル記はサムエルが誕生することから始まって、サムエルが油注いだ最初の王サウルの生涯を描いた形になっています。そして、第一サムエル記の最後はサウルの死で終わっています。サウル王の最後はペリシテ人との戦いで、サウルに矢が集中し重傷を負った王が道具持ちに自分を殺して欲しいと願います。しかし、道具持ちが躊躇したので自ら剣の上に倒れて死んだと書かれています(1サム31:1-4)。その後、道具持ちも自分の剣の上に倒れて死んだことになっています(1サム31:5)。そのときに道具持ちはサウルの死んだことを見届けています(1サム31:5)。サウルの死を報告したアマレク人は「若者(5)」だとあります。あわよくば褒美でももらえるかもしれない、という思惑があったように見えます。彼はたまたまギルボア山いたと言っていますが(6)、死んだ兵から金目のものを盗むおいはぎが目的だったと思います。その中で最も高価な王冠と腕輪をしたサウルの遺骸を見つけ、それらを奪いダビデの元に来たのです。このアマレク人は手柄を装って、殺しもしないサウルを殺したと嘘をつきます(10)。彼はそれが神の前でいかに重罪であるかを知らなかったのです。