2サムエル9章 この死んだ犬のような私を

2サム9:8「彼は礼をして言った。「このしもべが何者だというので、あなたは、この死んだ犬のような私を顧みてくださるのですか」
メフィボシェテはマキルの家から、もっと裕福なツィバの家に引き取られ、ツィバがメフェボシェテに仕えるようになりました。ツィバには15人の息子と20人の召使いがいたとありますので(10)、かなり生活面ではゆとりのあるものになったと思われます。さらに、メフィボシェテはダビデの息子たちに交じって、同じ食卓で食事をすることになります(11)。王の息子同然の扱いです。メフィボシェテが自分の父の訃報を聞いたときは5歳だったとあるので(4:4)、父が何者かということはなんとなくわかっていたはずです。しかし、サウル家の一族であるにも関わらず、だれもメフェボシェテを担ぎ上げて、サウル家の再興をたくらむ者はいませんでした。両足が不自由なメフェボシェテは、希望をなくし、ただ平凡な生活が送ることが出来ればよいと考えていたようです。「この死んだ犬のような私」という表現に彼の通ってきた人生が垣間見見えます。「このしもべが何者だというので」というのは、ダビデ自身が主から「あなたの家とあなたの王国はとこしえまでも堅く立つ(7:16)」と言われたときに、主に答えた言葉と同じです(7:18)。メフィボシェテはダビデと父ヨナタンとの関係を知らなかったようです。ダビデヨナタンを愛する愛はヨナタンの家族を守ることで果たそうとしたのです。