エレミヤ7章 『天の女王』のための供えのパン菓子

エレ7:18「子どもたちはたきぎを集め、父たちは火をたき、女たちは麦粉をこねて『天の女王』のための供えのパン菓子を作り、わたしの怒りを引き起こすために、ほかの神々に注ぎのぶどう酒を注いでいる」
エレミヤだけに「天の女王」についての記述があります。「女王」はヘブル語「meleketh(メレケス)」が使われており、ソロモンに会いにきたシェバの女王の「malkah(メルカ)」とは違うことばです。一般的な女王は「malkah(メルカ)」ですが、エレミヤ書の「meleketh(メレケス)」は、エレミヤだけに登場します。この天の女王はエレミヤ44章ではいけにえを捧げる対象とされ、そのときにはパンの菓子を供え、ぶどう酒を注ぐしきたりになっていたようです(44:19)。ここでは、子どもがたきぎを集め、父が火をたき、女が麦粉をこねる…と家族総出でこの女の神のために働く様子が書かれています。また、トフェテ、ベン・ヒノムの谷とありますが(32)、これらの地はモレクに対して自分の息子や娘に火の中をくぐらせる場所のことです(2王23:10)。聖書にはこれらの神々をどのようにしてイスラエルが信仰していったか、詳しい経緯は書かれていませんが、エレミヤが預言した時代、すなわち主の道を歩んだヨシヤ王の時代にも、このような背信行為があり、これらの行為も含めて「あなたの行ないと、わざを改めよ(3)」と語られているのだと思います。「主の宮(4)」は彼らの拠り所です。しかし、主の宮を強盗の巣にしたのも彼らなのです(11)。