エレミヤ35章 私たちはぶどう酒を飲みません

エレ35:6「すると彼らは言った。「私たちはぶどう酒を飲みません。それは、私たちの先祖レカブの子ヨナダブが私たちに命じて、『あなたがたも、あなたがたの子らも、永久にぶどう酒を飲んではならない」
レカブの子ヨナダブと聞くならすぐに「エフー」を思い出すでしょう。ヨナダブはエフーの主に対する熱心さを見て、心が通じ合っていると悟り、ふたりでバアルの預言者、祭司、信者全部を滅ぼしました(2王10:15-28)。レカブ一族はハマテから出たケニ人だとあります(1歴2:55)。彼らはヤロブアムの罪を捨てなかったエフーと違って、主に対して忠実な者たちで代々主のおきてを守ってきました(7)。バアルを根絶やしにしたのはよかったことですが、エフーの相手にしていたのはアハブ王で、イスラエルで最悪の王でその妻はイゼベルです。シドン人のイゼベルこそがバアルをイスラエルに持ち込んだ張本人で(1王16:31)、その娘はアタルヤです。このアタルヤが母イゼベルに輪をかけた悪女で、自分の息子アハズヤが死んだのを知るとダビデの直系の子を殺し、自分がユダ国の女王になってしまいます(2王11:2-3)。イスラエル、ユダ両国にとって最悪の時期にレカブ一族は主を信じるようになり、このたびバビロンの攻撃のためにイスラエルに身を避けて来たのです(11)。いわゆる異邦人の中に主のことばを守る者たちがいて、エレミヤを通して彼らを浮かび上がらせることで、主のことばを守ることはどういうことかを悟らせようとしたのだと思います。