エレミヤ28章 すべての器をこの所に帰らせる

エレ28:3「二年のうちに、わたしは、バビロンの王ネブカデネザルがこの所から取って、バビロンに運んだ主の宮のすべての器をこの所に帰らせる」
ベルシャツァルは宴会を開き、妻とそばめに自慢するかのようにエルサレムの宮から取ってきた金、銀の器で酒を飲み交わそうとした記述が残っています(ダニ5:2)。それらの器も70年の捕囚のあとでエルサレムに持ち帰ることがハナヌヤの預言に語られており、エレミヤもこのことには「アーメン」だと同意しています(6)。それはエレミヤ自身が預言した「それらはバビロンに運ばれて、わたしがそれを顧みる日まで、そこにある。―主の御告げ―そうして、わたしは、それらを携え上り、この所に帰らせる(27:22)」と同じ内容だったからです。ただし、2年のうちにバビロンから帰ってこられるということに関しては、エレミヤに語られた内容とは違っていました(11)。主は木のかせが簡単に砕けたようにバビロン捕囚もあっという間に終わるというハナヌヤの預言を真っ向から否定しています。主が言われたのは「鉄のかせ」が首にはめられ、簡単にはバビロンから帰ってこれないということでした(15)。もし2年だけ他国に連行され仕えるならば我慢できると誰もが考えたに違いありません。しかし、今の世代の犯した罪は重く、彼らの時代には捕囚から戻ってくることはできません。あたかも出エジプトのあとで40年間荒野をさまよったことを彷彿させる主のさばきです。