エレミヤ34章 奴隷の家から連れ出した日に

エレ34:13「イスラエルの神、主は、こう仰せられる。『わたしが、あなたがたの先祖をエジプトの国、奴隷の家から連れ出した日に、わたしは彼らと契約を結んで言った」
出エジプトのときに十戒を授けた後で、いろいろな細かい規定を設けています。その中には「在留異国人を苦しめてはならない。しいたげてはならない(出22:21)」というものがあります。その理由として「あなたがたもかつてはエジプトの国で、在留異国人であったからである(出22:21)」と書かれています。エジプトの国、奴隷の家から連れ出したときに、主は厳しく奴隷に関するおきてを定めました。それは奴隷は6年仕えたあとで、7年目に自由の身になれるというものです(出21:2)。しかも、ゼデキヤが宣言したのは同胞ヘブル人の奴隷の解放でした(8)。バビロンに包囲され、城内は食べ物もなくなり、奴隷を養うこともできなくなったいま、主人も奴隷も敵バビロンに飲み込まれそうになっているのです。そのような状況でも、奴隷の主人たちは心を翻し、いったん自由にした奴隷を連れ戻すという愚挙を行なっています(11)。一度は神の前で正しい行ないをしても、すぐに主を裏切り、主のことばに逆らったのです(15-17)。この期に及んでまだ罪を重ねるか、という感じですが、彼らの心にはエレミヤの預言より、他のインチキ預言者のことばが根強く残っていたのだと思います。モーセの律法やエレミヤよりも、耳に聞こえの良い預言のほうがおいしそうに感じるのです。