エゼキエル11章 カルデヤの捕囚の民のところへ

エゼ11:24「また、霊が私を引き上げ、神の霊によって幻のうちに私をカルデヤの捕囚の民のところへ連れて行った。そして、私が見たその幻は、私から去って上って行った」
どうもエゼキエルは霊に引き上げられ、捕囚の民のところと、エルサレムを行ったり来たりしているようです。この章の最初は主の宮、つまり神殿での出来事が書かれています(1)。その際にも「霊が私を引き上げて(1)」とあります。しかも、どうやらその動きはケルビムと連動しているようなのです(22)。捕囚の民と言っても、エホヤキンの時代の第一回バビロン捕囚と、ゼデキヤの時代の第2回バビロン捕囚との間には11年の開きがあります。エゼキエルが剣や死体の肉の預言をしていることから(6-7)、まだゼデキヤがエルサレムで籠城する前だと考えられます。カルデヤの地に戻ってきたエゼキエルに与えられた預言は、再び散らされている国々から集められるというものです(17)。カルデヤの地に帰ったエゼキエルは主の預言をことごとく同胞たちに伝えたとあります(25)。この再び集められるという預言は、多くの聖書学者は終わりの時代のイスラエル再建国をもさしているのではないかと考えています。しかも預言の中には「一つの心を与える」「新しい霊を与える」など(19)、新約の聖霊を匂わせるような表現もあります。最も大切な預言は「イスラエルの地をあなたがたに与える(17)」というもので、クロス王の時代以降エルサレムは、属国扱いで独立はかないませんでした。