エゼキエル27章 シドンとアルワデの住民が

エゼ27:8「シドンとアルワデの住民が、おまえのこぎ手であった。ツロよ。おまえのうちの熟練者が、おまえの船員であった」
この文面からすると、ツロとシドンの関係はツロがやや上の立場だったように感じます。旧約でも新約でも、ツロとシドンはセットで語られることが多く、それぞれの地は離れていても同族、いわゆるフェニキヤ人だったと考えられています。その昔は、ダビデ、ソロモンと良い関係を保っていましたが(2サム5:11、1王5:1など)、イスラエルのアハブ王の時代に亀裂が入りました。それはアハブが政略結婚で、シドン人の王エルバアルの娘イゼベルを妻にめとったことに端を発します(1王16:31)。イゼベルはアハブをバアルを拝むようにさせ、アシェラ像にも仕えました(1王16:33)。彼らの娘アタルヤはユダのヨラムと結婚しています(2王8:26)。このアタルヤがシドン人イゼベルの血を引いており、ユダ国乗っ取りを企て、危うくダビデの子孫が絶やされるところでした(2王11:1)。こう見ていくと、「美の極み(3)」だと自称したツロ、いわゆるフェニキヤ一族が、他国と貿易をするうちに商品だけでなく、異邦の神を雑ぜて売り買いをしていたことがわかります。あわよくば、商いに加えて自分たちの神を押し付け、他国が姦淫するように操作していたことがわかります。ツロは商売の裏で、聖書の神から引き離そうとしたのです。