1歴代誌29章 金五千タラント

1歴29:7「神の宮の奉仕のために、金五千タラント一万ダリク、銀一万タラント、青銅一万八千タラント、鉄十万タラントをささげた」
世界の金市場を取り仕切っているWGCの調査によれば、地球上に存在する金の量は推定23万トンだそうです。すでに17万トンが採掘されており、残りの金の量は6-7万トンほどになります。聖書の度量衡では、1タラントを24キログラムとしている資料が多く、もしそれを採用するなら、金5000タラントは120トンという計算になります。3000年も前の世界ではどれほどの金があったかはわかりませんが、おそらく世界中の金がエルサレムに集まったのではないでしょうか。ダビデの神殿にかける情熱は物だけでなく、ソロモンへの期待にも現れています。ダビデの捧げる様子を見て、民の誰も彼の行為の愚かだとは思いませんでした。それどころか、「彼らは全き心を持ち、みずから進んで主にささげたからである(9)」とあり、民もまた主にささげることを喜びました(17)。そして、ソロモンには「全き心を与えて、あなたの命令とさとしと定めを守らせ、すべてを行なわせて、私が用意した城を建てさせてください(19)」と主に祈り、ダビデ、ソロモン、民の心が一致したとき、神殿建設は成功するのです。歴代誌の最初の巻はダビデからソロモンへ王権が移ったことで終わっています。その政権以降の最大の課題が神殿建設だったのです。