ルカ11章 人の子がこの時代のためにしるしとなる

ルカ11:30「というのは、ヨナがニネベの人々のために、しるしとなったように、人の子がこの時代のために、しるしとなるからです」
ヨナのしるしと聞くと、大魚に飲み込まれ3日3晩過ごし(ヨナ1:17)、吐き出されたことを思い出します。ヨナの行なったことで大切なことは、大魚に飲み込まれたあとの話です。それは、ヨナはニネベに行き、あと40日でニネベが滅ぼされることを宣言したことです(ヨナ3:4)。そして、異邦の地であるニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者から低い者まで荒布を着たとあります(ヨナ3:5)。ヨナの時代はイエス様から600年以上前の話です。おそらくイエス様の時代に使われていた聖書にはヨナ書が編纂されており、多くの人がその話を知っていたのだと思います。イエス様は、人々がしるしを求められたときに、あえてしるしを見せずにヨナの話をしました。それは、イエス様ご自身がこれから十字架につけられ、3日目に甦られることを示唆していたのではないでしょうか。ご自分が死から復活することは、ヨナが三日三晩大魚の中にいて、その後みことばを述べたことがひな形になっているのです。そもそも、律法学者たちや民衆が望んでいたのは、天から火が下ったり、地震が起きるなどの超自然的な出来事だったようです。エリヤの再来だと考えるなら、なおさら天から火が下るのを期待したでしょう(2王1:10)。