ヨナ3章 人も、家畜も

ヨナ3:8「人も、家畜も、荒布を身にまとい、ひたすら神にお願いし、おのおの悪の道と、暴虐な行いから立ち返れ」
獣や牛や羊にも断食させるのはアッシリア特有なのでしょうか。家畜にも荒布をまとわせるのは、聖書の教えとは違っています。ただ、王が王座から降り、荒布をまとい、灰の中に座ったことは事実です(6)。それは、ヨナの語った神がヘブル人の神、すなわちイスラエルの神のことであり、400年奴隷だったヘブル人をエジプトから奇跡をもって導き出した神であるということをニネベの人が知っていたからです。最初にヨナがタルシシュ行きの船の中で自分がヘブル人だと名乗ったときも、人々は非常に恐れたとあります(1:9-10)。近隣諸国は自分の神を信じていましたが、イスラエルの神はその中でも別格の神だったようです。1章ではニネベに伝える内容は書かれていませんが、ここでヨナははっきりと「もう四十日すると、ニネベは滅ぼされる(4)」と具体的な預言を告げています。なぜニネベの人たちがヨナの言葉を信じたのかはわかりませんが(5)、ともすれば気が触れていると思われてもしょうがないヨナの行動でした。それでも、ニネベが滅ぶ原因には自分たちの歩む悪の道と暴虐の行いだと気づいていることには驚かされます。そこがソドム、ゴモラと違うところではないでしょうか。ニネベの人には悔い改める心が残っていたのです。