1ヨハネの手紙1章 いのちのことばについて

1ヨハネ1:1「初めからあったもの、私たちが聞いたもの、目で見たもの、じっと見、また手でさわったもの、すなわち、いのちのことばについて」
ヨハネは自分が見聞きしたことを何度も証していたと思いますが、この手紙で再度「いのちのことば」について語ろうとしています。手紙が誰に宛てて書かれたのかは最後まで出てきませんが、「私が神の御子の名を信じているあなたがたに対して(5:13)」とう表現があるので、すでにキリストを信じている者たちへ書かれたことが推測できます。文面から見ると、同じ教会に属していたか、以前に交わったことがある教会員に宛てたものかもしれません。ヨハネの文章には「ことば」を強調する特徴があります(ヨハ1:1)。ことばはギリシャ語「logos(ロゴス)」で、いのちは「zoe(ゾエー)」です。ヨハネ福音書の中でもイエス様の存在を「ことば」として見なしており、この手紙でも書き出しは「ことば」についてです。そして、「もし」という仮定形が多く使われており、これもヨハネの手紙の特徴と言えます。「もし」のギリシャ語は「ean(エアン)」で、手紙の中で最低でも12回登場します。それはキリストを信じる者たちの中にも、まだ学べていないことがあり、それを「もし」ということばを使って強調しているのだと思います。そして、まだ知らないことを知ってもらい「私たちの喜びが全きものとなるため(4)」という目的が書かれています。