2ヨハネの手紙5節 初めから私たちが持っていたもの

 

2ヨハネ5「そこで夫人よ。お願いしたいことがあります。それは私が新しい命令を書くのではなく、初めから私たちが持っていたものなのですが、私たちが互いに愛し合うということです」

この名を明かされていない夫人は、1節では定冠詞「ho(ハー)」が使われており、教会でヨハネと親しかった人だったと思われます。ここでも「互いに愛し合いなさい」と書かれており、それは最初の手紙にもある「互いに愛し合うべきであるということは、あなたがたが初めから聞いている教えです(1ヨハ3:11)」と符合します。さらにこれは新しい命令ではなく、初めから聞いていたことだと書かれ、これも最初の手紙と一致します。ヨハネ福音書でイエス様が3回も繰り返した「互いに愛し合うこと(ヨハ13:3415:1215:17)」は、その後のヨハネの人生のテーマになったようです。ヨハネの最初の手紙の中では5回も「互いに愛し合う」ことが書かれ(1ヨハ3:113;234:74:114:12)ヨハネがキリストを伝えるときに真っ先に挙げた大切なテーマだと言えます。そして、この手紙の中でも「初めから私たちが持っていた」とあり、世の惑わしが襲ってきたとき、最初の教えである「互いに愛し合う」ことを思い出すなら惑わされずに済むと伝えています(68)。愛は「御父の命令に従って歩むこと(6)」で、その命令とは「愛のうちを歩むこと(6)」です。ヨハネの手紙には、「愛」ということばがあふれ、いかにイエス様に愛されていたかがわかります。