ピレモン 囚人となっているエパフラスが

オネ1:23「キリスト・イエスにあって私とともに囚人となっているエパフラスが、あなたによろしくと言っています」
ピレモンも獄中書簡の1つとされています。パウロとともにいるのはエパフラスで、コロサイ教会を建てた功労者です(コロ1:7)。エパフラスが何か罪を犯したのではなく、おそらく監禁されているパウロに会いに行き、そのままパウロの世話をしていたのだと思います。そのためピレモンもエパフラス同様にコロサイ教会のメンバーだったと推測されます。一般的には、ピレモンの奴隷だったオネシモが、盗みを働きローマにいるパウロへ身を寄せたと考えられています。ピレモンへの手紙がAD60年ごろに書かれたのに対し、コロサイはAD57年ごろに書かれた説が有力です。手紙の中ではオネシモがテキコとともにコロサイを訪ねることが書かれているので(コロ4:9)、すでにキリストを信じる者だったと推測できます。聖書には「あなた方の仲間のひとりで、忠実な愛する兄弟オネシモ(コロ4:9)」と書かれています。もし、年代が逆でなければオネシモはキリストを信じる者でありながら、罪を犯したことになります。そうするとパウロの「獄中で生んだわが子オネシモ(10)」の意味が、さらにいっそう深い意味に感じられます。どちらにしろ、ピレモンがこの手紙を読んで、手紙を運んできたオネシモをどのように扱うかをパウロは理解していたのだと思います。