伝道者12章 すべては空

伝道12:8「空の空。伝道者は言う。すべては空」
日本語の「空」には、文字とおり「からっぽ」の意味が含まれています。伝道者の書の最後に最初のことばが繰り返しているのは(1:2)、人生を考えるときにこれが知恵ある者の悟った悟りだからだと思います。「結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ(13)」とあり、どんなに人生で労苦し成功を収めたところで、その成功をそのまま死後の世界に持っていくことはできません。イエス様のたとえ話の中にある金持ちの話があります。ある豊作のときに倉を大きくし、財産や穀物を溜め込み、人生は安泰だと喜びます。しかし、神は「おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。そうしたら、おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか(ルカ12:20)」と言います。命は喜びであり、生まれてくる子どもを親は喜びます。もし、親がこれから始まる人生の苦しみを子どもに見たら、ひょっとしたら喜べないかもしれません。ソロモンの結論としては「神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである(13)」というものです。あらゆる喜怒哀楽を人は楽しめば良いでしょう。神が与えてくださった人生ですから。それでも、人生は神なしでは虚しいものであり、神とともに喜び、神とともに悲しめれば、その人生は意味あるものになるのでしょう。