1テモテ5章 家々を遊び歩くことを覚え

1テモ5:13「そのうえ、怠けて、家々を遊び歩くことを覚え、ただ怠けるだけでなく、うわさ話やおせっかいをして、話してはいけないことまで話します」
パウロの若いやもめに対する印象はかなり悪いものです。この「やもめ」のギリシャ語「chara(ケイラ)」は、未亡人や何らかの事情で夫と暮らせなくなった女を指します。やもめが結婚したがるのは(11)、律法にかなっていることで、自然なことです。それでもパウロの言うように、すべての若いやもめが怠けたり、遊び歩いたり、うわさ話やおせっかいをするわけでもないでしょう(13)。パウロは若いやもめが結婚することによって、そのような悪癖を静めることができ、反対者にそしる機会を与えずに済むと考えていたようです(14)。この「反対者」はギリシャ語「antikeimai(アンティケイマイ)」が使われ、おそらく教会内で若いやもめが遊び歩いているのを目撃した人たちのことだと思われます。反対者は決して敵ではなく、むしろ教会のこと気にかけている人たちで、彼らが心配するように若いやもめが情欲に惹かれ、道を踏みはずす者が実際にいたようです(16)。若くして夫と死別した女が自堕落な生活に陥りやすいことを知っていたパウロは、そのようなやもめは「生きてはいても、もう死んだ者なのです(6)」と痛烈に皮肉っています。やもめの行動1つにしても、教会内では大きな壁となり得、テモテに教えなければここから綻びることになるのです。